2018/11/30【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
冬の季語、【山茶花】でした、他、冬の自由題。
投稿いただいた会員の皆さんには、
添削&アドバイスを12月10日ごろまで送付します。
で、次回の兼題は、【初空】、新年の季語です。
元旦の大空・・・初御空(はつみそら)とも言いますネ。

特別な一年の最初の空、清らかにして荘厳な雰囲気であります。
元日の晴れ渡った空は瑞兆として、雨や雪も豊穣の瑞兆として、喜びます。
我々のご先祖はおおらかです、いわゆる元日は、なんでもOKなのでありますヨ(笑)

新年の喜び、希望、そして、空、海、社、神仏、など、
日本独自の歴史観と、自然への畏怖を詠んで見ましょう。

では、例句と解説。
初空や大悪人虚子の頭上に/高浜虚子
虚子、開き直りの一句。
虚子は俳人の才能より、経営の才能が高かったようだっ。
なかなかの策士で功利的で、時には門人にも情け容赦がない。
しかし、その合理性と手練手管がなければ、ホトトギスの成功はありえなかった。
晩年は、老獪さをも身につけ、ホトトギスを日本最大の結社へと作り上げて行きます。
世襲&家元制をも導入して、俳句の大帝国をつくりあげた、自他共に認める、曲者なのだっ。
自らを、『大悪人』と、豪語するこの人物、功績も功罪も多く、評価は二分しているがやはり俳句は上手い。
初空の藍と茜と満たしあふ/山口青邨
この句に解説がいるのだろうか?
蛇足ですが、一応しますね。
元旦の大空の朝焼けの情景は、藍(あい)と茜(あかね)の色に満たされたと言うのだっ。
藍色の空に太陽が昇るにつれて茜色に染まり、そして、二色が、「満たしあふ」、なんと美しい。
句には出てこないが、当然白い雲もたなびいており、その雲は紫の色の染まっているのですよ。
新年にふさわしい色彩の対置です、見事としか言いようがない感動の一句です。


翼なきものは仰ぎて初御空/尾生弘子
我々人間は翼を求める、翼なきもの・・・。
ゆえに、人は大空に憧れて、大空を目指します。
通常であれば、『空は仰ぐもの』、仰ぐは不要です、なのですが、
この句の場合、上五の前に、翼あるものは飛立ち、が、隠れています。
~翼あるものは飛立ち翼なきものは悲しく空を仰ぐ初御空~
ゆえに、並列として、翼なきものは仰ぐ、と、わざわざなるワケです。
かなわぬ、夢、希望、憧れ、いやもしかすると、今年貴女は、翼あるものにも成れるか・・・。
いづくともなき合掌や初御空/中村汀女
御空は、美空とも響く。
作者は雲一つない好天の初御空に恵まれたのだ。
淑気が満ち満ちているこの上なく清らかな青空。
超自然のありがたさに心が溢れてきて思わず合掌したのだ。
神仏とはなしに自然崇拝・・・先祖が畏怖した太陽&大空への祈り。
上五のいづくとも、が、超絶に効いていますネ、素晴しい。
初空や対馬へ向う旭日旗/小栗釣月
初空が真青ゆえに旭日旗はますます白く赤くはためく。
ニュートンの色彩論によると、
青は広がりやすい波長を備えているとか。
ゆえに、空と海は、青く広がるのだそうです。
旭日旗は、もともと日本海軍の旗、
私の曽祖父も、祖父も栄誉アル海軍であり、
靖国神社に、英霊として祀られております。
さて、海上自衛隊にも、当然お正月もありません。
とは言え、交代勤務のようですが・・・国防にオヤスミなどナイ。
新年の青い空と碧い海、
白い雲と白い水脈、そして、
紅白の旭日旗は見えたでしょうか?
来年は、御譲位と憲法改正の年となるでしょうネ。
日本、万歳。

他、冬&新年の自由題とします。
締切は年末なので少し早めに、十二月二十五日です。