硝子越しに春雨を見るⅠ。

服部土芳の有名な俳諧書、『三冊子』では、陰暦正月から二月初めに降る雨を「春の雨」。
二月末から三月にかけての雨を「春雨」として区別していますが、現在は同じ感覚でしっとりと詠みます。
ほか、春霖とは数日降る雨もしくは、春の長雨の事。

一般的に春雨と言うと、コレになるが・・・。

ちなみに、食べる(笑)、春雨の原料は、緑豆やジャガイモなどのデンプン。
で、はるさめ、俳句では、春の雨と言うコトになる。
雛菊「月様、雨が・・・。」
半平太『春雨じゃ、濡れてまいろう。』
ご存知、月形半平太の名台詞のであるが・・・リアルには知らない。
私の生前に、演劇やTVドラマなどで盛んに登場した架空の人物である。
モデルは、幕末の志士、土佐藩士武市半平太こと武市瑞山。
この台詞ゆえに、春雨が季語としてヤヤ陳腐と言われる要因の一つ。
春雨、春の雨、サッと降ってすぐあがる。
そして、やや暖かく優しいイメージがある。
その雨を受けるか、受けないか。
外か、内か、と、言うコトになる。
静と動、二つの感覚で詠めると楽しい。

斯(か)く翳(かざす)す春雨傘か昔人/高浜虚子
はるさめに昼の廓を通りけり/永井荷風
鎌倉に清方(鏑木)住めり春の雨/久保田万太郎
春雨や人の言葉に嘘多き/吉岡実
ひらきたる春雨傘を右肩に/星野立子
忘れものみな男傘春の雨/三輪初子
春雨や頬かむりして佃まで/辻貨物船
春の雨郵便ポストから巴里へ/浅井愼平
春雨てふ銀の鎖をくぐりけり/矢野玲奈
春雨や二階ぞめきにあやかりぬ/小栗釣月

春雨Ⅱに続く・・・予定(笑)。
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同じくデス。
饂飩もススンデ食べません、冷麦もNG。
素麺はまぁまぁ、チャンプルーが一番好き、面倒ですが。
やはり、蕎麦デス。
>There Will Come Soft Rains"
春雨Ⅱにて、引用予定です。
>「雨水」がイチバン好きです。
はい、明日ですね。
良き季節が近づいています。
No title
二十四節気では「雨水」がイチバン好きです。
語感的にも「冬にとどめを刺す」という意味でも(笑)。
食べる春雨の類(春雨に限らず澱粉系の麺)は苦手です。
故に冷麺やフォーは好きじゃないです。
出されれば美味そうな顔をして食べますが、自分からは絶対にオーダーしません(笑)。