3/3・本日・【立子忌/たつこき】
娘泣きゆく花の人出とすれ違ひ
重き雨どうどう降れり夏柳
夕月夜人は家路に吾は旅に
何といふ淋しきところ宇治の冬
楽屋口水の江滝子ジャケツきて
余日なき十一月の予定表
三月三日。
「雛飾りつつふと命惜しきかな」
俳人、星野立子/ほしのたつこ・・・・の忌日デス。
(1903年~1984年)

昭和59年没。
80歳。
高浜虚子の次女。
夫は星野天知の息子・星野吉人。
中村汀女、橋本多佳子、三橋鷹女とともに四Tと称されました。
【立子忌】
虚子の亡き立子の日々や立子の忌/今井千鶴子
立子忌や岳の風神まだ眠る/市川弥栄乃
立子忌や笹目の一日なつかしく/深見けん二
立子忌の坂道どこまでも登る/阪西敦子
立子忌を悲しみとせぬ日は何時に/稲畑汀子
立子忌を重ねて今年つる女亡く
紫の人ともいはれ立子の忌
表紙絵も玉藻雛や立子の忌
三句とも、星野椿[立子の長女]
では、本人の句を幾つか。
春たのしなせば片づく用ばかり
昃(かげる)れば春水の心あともどり
桃食うて煙草を喫うて一人旅
烏瓜夜ごとの花に灯をかざし
訪へば子沢山なり梅雨の宿
ひらきたる春雨傘を右肩に
たはむれにハンカチ振つて別れけり
花葵西日さし抜け一軒家
青梅や我になじまぬ吾子背負ひ
寒しとはこの世のことよ墓拝む
辞世句。
「父が附けしわが名立子や月を仰ぐ」
【鎌倉虚子立子記念館HP】